質屋一代記。其の六
〜失いたくない女・涼子〜

私は涼子との爛れたような愛欲の後、割烹旅館に泊まり、のんびりと寛ぐことにした。
風呂の入り、浴衣に着替えてウトウトしていると、
「ああ・・・サッパリしたわ」
襖が開き丸山涼子が部屋に入って来た。こざっぱりとした涼子の顔を見た途端、
私の眼はうつろに吹き飛んでしまった。

「さあ、二回戦に入ろう」
私は彼女の腕を引っ張り、敷き布団の上に仰向けに成った。
これから彼女にタップリとおしゃぶりに興じてもらうのだ。
わたしにとってはまさに至福の時間といえようか。

これまでの女遊びは女体に戯れる事が多かった。
女達がイク瞬間を見るのが特に楽しかったからだが、勿論其れは今でも変わらない。しかし、
65歳になった年齢では、女体の愉しみだけではなく一晩に二回の勃起も辛くなりつつあった。
勃起するだけならまだ可能だが、翌日には疲労が残る事もあるようになった。

私は最近、勃起する快感を自認している。女に奉仕させて、勃起している時が楽しく
感じられるように成ったのだ。

愛人的存在の涼子であるが、私は彼女以外にも女遊びはしている。
以前ほどでは無くなったが、つまみ食い程度といった所だが、
そんな女達をイカせて、私自身はイカない時もあるようになっていた。
或る時は勃起だけでも十分に満足することさえあった。

ところが涼子は他の女達とは違っていた。彼女は体力の限度を超えても射精するだけの
値打ちがある女であり、私にとっては貴重な女である。この齢に成って変かも知れないが、
心底惚れてしまったようだ。

彼女を失ったら、もう愛人的な女は見付からないかも知れない。
金の切れ目が縁の切れ目。に成らないように、彼女には常に借金をさせて置こうと
考えていた。
金で縛って置いてでも、わたしの余生には必要な女であった。

「ううっ・・・ん、社長さんって何時もすごい元気なんだからぁ」
「涼子さんがあんまり魅力的だから、何度でも元気になれるんだよ」
私は涼子の胸に手を伸ばして、浴衣のうえから乳房を掴んでゆっくりと揉みたてる。

「ダメダメッ・・・オッパイ揉まれると集中出来ないわ」
彼女は甘えた口調で言って、もどかしそうに上半身をくねらせた。
涼子のおしゃぶりは絶品そのもので、生温かいコンニャクで撫でられているような、
舌の感触であった。私は両腕をタラーンと伸ばして、涼子の口愛戯に身を委ねていた。

「ああ・・・大きく成って成ってきたわ、怖いくらいに膨らんできた」
彼女は鼻声を出しながら、舌先を丸めるようにして鰓の張った部分を、
チロチロとくすぐるように舐めつける。

むず痒い痺れが亀頭に湧き起こり、付け根に向かって走り抜け始めると、
逸物に充血が漲り始めて、海綿体に張りが出てぐ〜んと体積が増していった。

股間の逸物は直角にたちあがった。若い頃はには下腹にくっ付かんばかりの勢いだったが、
六十代半ばの現在では、九十度がげんどである。
円錐形の亀頭の部分は淫水焼けしてくすんだ赤紫色になっている。

涼子は尿道口に唇を被せるようにして吸い上げながら、尺八をしたり、
横咥えして口づけをくり返しながら、ハーモニカを吹いているようだった。

逸物におしゃぶり愛戯を施しながら、玉袋にも手を伸ばしてきた。
細い指で掬い上げるようにして、玉の部分を柔らかく握ってモミモミをする。
同時に指先で肛門をチロチロと擽って来るのである。

じっと涼子の口愛戯に身を委ねていると直ぐイキたくなってしまう。
まだまだ勃起持続状態をゆっくり楽しみたい思っていたが。
そのためには気持を他へ向ける以外にない。

「涼子さん、私の顔の上にオマンコを乗せてごらん」
私は涼子に女上位の相互愛戯である。シックスナインの体位を取らせた。
浴衣の裾をめくり、パンティを脱がせると、彼女の女性器は目の前にバラの花の様に
大きく口を開いてピクピク息づいていた。
粘りを強めた体液が糸を引いて滴り落ちてきて、私の鼻先に絡み付く。

私は豊かに実った女盛り尻に手を掛けて引き下ろす様にしながら、
下から舌を伸ばして女性器をペロペロと舐めつけた。
「ああっ、そんなにされたら、あたしまたダメになっちゃう」

涼子は逸物から口をはなして、呻き声を漏らしている。
淫水焼けした肉の花びらに吸い付き、強い力で引っ張ると、
「痺れるっ・・・ああああっ・・・」
彼女は上半身を仰け反らせて、ブルブルと全身を震わせた。
私は女性器に口をこすりつけて、ズルズルーッと音をたてて粘った体液を吸い出した。

女性器がぺったりと鼻と口をおさえつけていて息苦しさが襲い掛かってくるが、
我慢して吸い続けると、
「もう、おしゃぶりなんて出来ないわっ」
と、涼子はガバッと身を起こして素早く体の向きを変え、女上位の格好で体を繋いできた。

一度射精をしているので、私にはまだまだ余裕があった。勃起の楽しみを十二分に
味わってから、もし彼女がそれまで昇天しなければ射精してもいいし、
昇天してしまっていればださなくてもいい・・・。
わたしはそんな事を考えながら、涼子の浴衣の胸元を開き、乳房を柔らかく揉みたてた。

女盛りの未亡人は膝のバネを使い、腰を斜め上下に揺すりたてて、
逸物に女性器の摩擦を加え、自分勝手に天国に向かって走り始めた。

黒し髪を振り乱し、目を閉じて小鼻を広げ、半開きの口から白い歯並びを覗かせて
身悶えている彼女の姿は、私にとっては天女以外の何者でもなかった。
涼子は途中から腰の動きを速め、獣の遠吠えにも似たくぐもり声を発し、
そのまま私を置き去りにして昇天するや、バラ色の世界に飛び込んでいったようであった。

女遊びはあと何年出来るか判らない。しかし、勃起不可能となっても涼子だけは
失いたくない思いはことのほか強い。彼女は私の最後の浮気相手となるだろうと
考えながら、脳裏にかのじょの肢体が浮かんでくると、甘い痺れが股間全体に
広がっていくのである。
END
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