幻想夫婦交歓記。其の三
◇亭主達にヘアヌードを見せつける

女同士のセックスは終わりがない、とはよく言われ事ですが、
この時の私達はまさしく其の通りでした。
男は射精してしまえはそれで終わりですが、私達は何度、
気を遣ったのか、思い出せない位だったのです。

美紗子さんは、肉体の芯から私を満足させて呉れました。
美紗子さんも、また同じだったようです。

この一件から、私達の絆は益々強いものに成りました。
私達は、もう只の女友達ではなくなったのです。
いくら同姓とはいえ、私達は肉体の関係が出来てしまったのですから・・・。

けれども、それからの私達がどっぷりレスビアンの蜜に浸ってしまったかと言えば、
そうでもないのです。私達は、もっと深く、もっと遊び心があり、もっと歪んだ
遊びを求めて、さらなる性の冒険へと出発したのでした。

私と美紗子さんは、もはや姉妹と呼んでも差し支えのないほど親密な間柄に
成っていました。私はもう、以前の無気力で干からびた女ではありませんでした。
「ねぇ、今日は少し変わった事をしてみない?」

その日、私は美紗子さんの家へ遊びに行っていました。
彼女の家は、とても豪勢なお屋敷でした。
広々としたリビングルームに、私達は午後のお茶を頂いていました。

「変わった事ってどんなこと?」
美紗子さんの提案に、すぐさま私は身を乗り出していました。最近の私は
美紗子さんの影響を受けて、とても好奇心旺盛な女になっていたのです。

「ヌード写真を撮るのよ、いろんな格好をして・・・どう?」
「いいけど・・・私、自信ないわぁ」
「何言ってるの!まだまだ今なら鑑賞に耐えるわよ。
 そうね、今が最後のチャンスかも知れないわ。あと何年経って見なさいよ、
 いい加減オバァチャンになってしまうのよ。女盛りの記念に撮っておきましょうよ」

確かに、美紗子さんの言うとおりでした。いまなら、まだギリギリで間に合う。
女盛りの裸身を記念に残すのも悪くないかもしれません。

「まずは、私が貴女を撮ってあげるわ」
美紗子さんに促され、私はセーターとスカートを脱ぎはじめました。
リビングルームは一階に有りましたが高い植え込みに囲まれているので、
覗かれる心配はまずありません。
念のためにカーテンを引いただけで、撮影がはじまりました。

「素敵な下着を着けているじゃない、とてもセクシーだわ」
その日、私は淡いモスグリーンのランジェリーを着ていました。
胸と裾の部分にチュールレースのあしらわれた、イタリア製の下着です。
下着にお金をかけるなど、それまでの私には考えた事もありませんでしたが、
これもお洒落な彼女の影響でした。

「ソファの上に横座りになってみて、少し太股を開き気味にして」
彼女は早速、名カメラマンぶりを発揮しました。年齢こそ彼女のほうが下でしたが、
このようにいつも彼女はリーダーシップを握っていたのです。
私は一から十まで美紗子さんの言いなりでした。

「これでいい?何だか恥ずかしいわね」
「何の何の!中々のモデルぶりだわよ。とてもチャーミングだわ。
 顎を反らす様にして、腕をちょつとあげてみて」

何となく、本物のモデルになったような気分でした。彼女の命令どおり
ポーズをとっているうち、私の中のナルシシズムが目を覚ましました。
カチャッカチャッという金属製のシャッターの音、目を射る白銀色のストロボの光・・・
私はいつしか現時を忘れ、うっとりと夢の世界にさ迷い込んでいたのです。

「素敵よ、感じが出てきたわ。それじゃあ、下着を取って」
ここまで来ると、何の戸惑いもありませんでした。美紗子さんに命じられるまま、
私は思い切りよくランジェリーとパンティを取り去ったのです。
素っ裸になると、いよいよ私のナルシシズムは燃え上がりました。

絨毯の上で私は抵抗なく太股を開き、きわどいポーズを取っていたのです。快感でした。
私も同じようにして、美紗子さんのヌード写真を撮ってあげました。

三日後、美紗子さんは出来上がった写真を手に、驚くべき計画を私に持ち掛けたのです。

「とてもよく撮れているでしょ?我ながらゾクゾクする写真よ」
「私もそう思う。まだまだ捨てたもんじゃないわよね」
「ところで、こんないい写真を二人の秘密にしておくのは勿体無いと思わない?
 これを使って、面白い悪戯をしてみましょうよ」

美紗子さんの言う悪戯とは、こうでした。
ーーこの写真を、お互いの夫の目の触れるところへ置いておくーー
つまり私のヌード写真を美紗子さんのご主人の目に、美紗子さんの写真を私の夫の
目に触れさせるというものなのです、そればかりではありませんでした。

「そうやって刺激しておいて、お互いの旦那を誘惑するの。
 私は瑛子さんのご主人を、瑛子さんは私の旦那を・・・」
つまるところ、一種の夫婦交換と言う訳です。さすがに、私は絶句しました。

「でも、この事は飽くまで旦那たちには内緒よ。内緒で不倫したと思わせるの。
 お互い、妻の友達と不倫しただけってことに。
 私達の共同計画だとは悟られないようにするのよ」
「そ、そんな事平気なの?ご主人が私と寝ても・・・?」
「貴女はイヤ?私は平気よ。相手が瑛子さんなら、貸してあげても構わないわ」

その頃、私達は家族ぐるみの付き合いをしていました。だから当然、
私は美紗子さんのご主人を知っているし、美紗子さんも私の主人を知っています。
「私だって、貴女になら主人を使って貰ってもいいわ。美紗子さん」

私は、身体の中が熱くなるのを感じていました。妻が夫の不倫をけしかける、
そして自分もまた不倫の中に身を投じる・・・何と不道徳で、淫らな計画でしょうか。
「乗って呉れるわね、この計画に。でも、一つだけ約束してちょうだい」
「なァに、約束って?」
「それはネ、お互いの旦那と寝たあと、報告し合うのよ。
 微に入り、細に入り、細かくベッドの上でのことを報告し合うの」
「いいわよ。ああ、何だか興奮してきたわ!」
「私、今晩にでもあなたのヌード写真を夫に見られそうな所へ置いておくわ」
「私も、ベッドの横にでも置いておく。きっとビックリするわよ。
 何しろ、美紗子さんのヌード写真ですもの。
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