七回忌法要の夜。其の七
〜パンティに放った精液〜

昨日、姉の七回忌の法要が行われた。私は四十五年以上も前の、
姉との甘い関係が走馬灯の様に駆け巡る中、
同時に彼女が死亡する数ヶ月前の悲痛な関係を思い出していた。

自分の死を予感に震えながら、
『陽ちゃん、あのころはたのしかったわ』
『おねがい、陽ちゃん、姉ちゃんの最後のお願いを聞いて』
『陽三と一緒に生まれ故郷の群馬の温泉に行きたい』
『陽ちゃん、聞いて、もう一度だけ愛して』
と叫んでいた佳代の表情が蘇ってくると、
私は大声を出して泣いた。

死亡した妻には申し訳ないが、佳代は私にとっては最高の女だった。
死の床に伏している佳代の言葉から考えてみても、矢張り彼女も結婚した夫よりも、
弟の私とのセックスの方が良かったと思っていたのかも知れない。
優しい夫は安らぎと安定した生活は与えてくれたかも知れないが、
女としての性の喜びは私の方がより多く与えていた筈だ。
そう思った途端、私の体の中に抑えがたい欲情が湧いてきた。

法要が終わったとき、姉夫婦の家に行き、精進落としの軽い飲食をとった。
(姉の形見の品が欲しい、姉の肌に付けていた下穿きが欲しい)
義兄は姉の事が六年経った今も忘れられず姉の着物や衣類なども捨てられずに、
使って居た時のままに残してあると聞いていたので、私はトイレに立ち、
其の帰りに姉夫婦の寝室に入った。そして箪笥の引き出しから
数枚のパンティをつかみ出し、喪服のポケットに押し込んだ。

私の行為は形見分けではない。窃盗そのものであり、好色な軽犯罪でもあった。
姉の家族などに見られたら、変質者と思われることは間違いないだろう。
私は異常な血の騒ぎに見舞われていた。

私は早々に自宅に戻り、寝室に酒を持ち込み、喪服のポケットの中から
パンティを取り出した。
パンティはベージュのものが二枚に、淡いブルーのものが一枚だった。
洗濯してしまってあったものなのに、穿き古したものなのか、
女性器が当たる部分には薄い黄色のシミのようなものが残っていた。

「姉ちゃん、あの頃は最高に楽しかった。姉ちゃんの身悶える姿は、
 天女のようだったよ。結婚出来ない事は判っていても、俺は姉ちゃんと結婚したかった。
 籍は入れられなくとも、夫婦同様の生活がしたかった。
 ああっ・・・ねえちゃん、俺は今でも、姉ちゃんの事が好きだし愛しているよ」

酒を飲みながら、パンティを鼻先にあてて匂いを嗅いだ。酔っているからだろうか、
幻覚かも知れないが、はっきりと姉の匂いが感じられた。

脳裏に佳代の姿が浮かび、裸体が妖しくくねっていく。四十数年前の裸体なので
記憶には乏しく、輪郭がぼやけているが、私には姉そのものであった。
肌の感触、内襞のうごめきが体のあちらこちらから蘇ってくると、
私は布団を敷き、全裸に成って横に成った。

自慰をするのは何年振りだろうか。他人が見たら驚愕するほどの行為に、
ゾクゾクとした血の騒ぎを感じていた。
私は姉のパンティをペニスに押し付けて握り締め、シコシコと擦りたてた。

「ああ・・・姉ちゃん、いい気持ちだ」
ペニスに佳代の膣の感触が蘇ってきた。無数の肉襞が蠢き、ペニスに絡みついてくと、
性器の入口がリズミカルに収縮し、絞り込むように締め付け来る。

『ああ、陽ちゃん、子宮が蕩けてしまいそうだわ』
佳代の喘ぎ声がどこからか聞こえてきて、耳底に響きわたった。

「姉ちゃん、俺もイイ気持ちだよ。姉ちゃんのオマンコは最高だよ」
幻想と現実が一緒になり、私は夢中でペニスを扱き立てていた。

『陽ちゃん、いいわっ。陽ちゃんのモノだって、女にとっては最高よ。
 ああ・・・ひさしぶりにおしゃぶりさせて』
「姉ちゃん、口で受けしてくれっ・・・」

股間が熱い痺れに見舞われ、射精の限界がくると、私は姉のパンティに包んだ侭、
ドクドクと放出した。パンティには私の精液がベットリと染み付き、
全身が脱力感に襲われ、そのまま眠ってしまったようだ。

佳代と抱き合っている夢を見た。四十数年前に戻って激しい裸体を絡め合っていた。
その彼女のあまい喘ぎ声を聞いて、目覚めたりは夜中だった。
だが、ふたたび眠りに付こうとしても目が冴えて寝付けない。

(姉ちゃんがあの世から降りて来て、俺を求めているんだ)
そう思った途端、敷き布団の脇のパンティを取り上げ、また自慰を始めていた。
そして数分後には、ぱんてぃを体液でベットリと汚していた。
『一杯出してくれたのね』と鴨居に掛けてある姉の写真が微笑んでいた。

◇ ◇

いま、この手記を書きながら、姉のことを思い出し、またパンティを手に取ってみた。
そうしているうちに、下腹部に甘い疼きが湧き起こってくる。
書き終えたら、あの日の様に姉を想って自慰をするつもりだ。
どうやら股間を撫で付けていると、ペニスが勃起してきたようだ・・・。
END
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