仲居の和美。其のニ
〜モノに成る女〜

真珠はまず真円に近くて、疵がなく、色がよく、光沢の深いものが高品質の
条件ですが、その真珠は、色といい、形や光沢といい、全く高級品と変わりない
外観をしているのですが、リングの隠れた取り付け部分に大きな疵があって、
真珠そのものの値打ちとしては中級品で、私がサービス品として持ち歩いて
いるものなのでした。

私の言葉に、仲居さんは言葉の真意を窺うような顔つきで、私を見詰めて来ました。
「さあ、指に合ったら貴女に差し上げるから」
「まア、悪い冗談はイヤやわ」
「これでも冗談と坊主の頭はいわしまへん」

私は自分の立てた計画がほぼ成功したことを確信しましたが、
然しそれは態度に出さずに、営業用の笑みを口許に浮かべてみせました。
仲居さんは尚も半信半疑の様子でしたが、それでも心の中の誘惑には勝てず、
そっと指輪を手に取ってみて、品定めをするようにあちらこちらを眺め回して、
自分の左手の人差し指へ嵌めました。

彼女は暫らくウットリとした目付きでそれを眺めてから、
「どう、似合います?」
そう言って私の前へ手を差し出しました。
「どれどれ、見せてご覧」
私はツイと彼女の手を取って、
「まるでアンタの為に誂えたようにピッタリやなないか」
と必要以上に強く、彼女の手を握り締めました。

彼女の指は想像していた以上に柔らかく、しなやかでした。
「こんな大きな真珠の指輪が欲しい欲しい思ってたとこやったの」
彼女は私の手からそっと指を離して、指輪に目を近付けて、
手を左右に動かしては角度をかえたりして、娘のような仕種で眺めています。

「そやけど、ほんまに下さる訳はないわなア、こんな高価なものを・・・」
彼女はそう言いながらも、まだ未練がある様子で、
真珠の頭を自分の頬へ押し当てたりしています。
「それはアンタの気持ち次第で何とでもなることや」
「ええ?それ、本気なん?ウチみたいなお婆さんでもええのんか?」
彼女は私の言葉の意味を素早く読み取って、目を輝かせます。

返事の変わりに、私はついと彼女の手を取って、グイッと胸元へ引き寄せ、
有無を言わせぬ早業で、浴衣の胸を割って右手を差し入れました。

予想通り、仲居さんは拒む素振りは見せず、むしろ肉付きの豊かな体を
擦り付けるようにして、私の胸に凭れ掛けてきました。
ブラジャーを付けていない裸の胸に、ゴム鞠のような大きな乳房が盛り上がり、
生娘のような張りで弾んでいました。

暫らく乳房全体へ指を這わせて、その感触を楽しんでから、
手の甲を乳房に押し当てて、人差し指と中指で乳首の付け根を挟むようにして、
軽く締め付けておいてから、親指の腹で乳頭を撫で回すと、直ぐに固くなり、
それに連れて乳輪も深い皺を刻んで膨れ上がってきました。

同時に「フウッ」と彼女は切ないような溜め息を漏らし、
モジモジと腰の辺りを動かし始めます。頃合を見計らって、
私はそっと彼女の手を噛んで、カッカと熱を帯び始めた股間へ導きました。
彼女はブリーフの上から私の勃起したチンポを片手で軽く握ってみて、
それとなく悪戯っぽい目付きで下から私の顔を見上げて微笑みました。

それから乳房を私の指先に任せたままで、ゆっくりと浴衣の前をはだけ、
ブリーフをずり下げました。先程から傘のようにカリ首を膨らませている
自慢のチンポが、待ち構えていたようにニョキッと現れると、
「まァ、何やの、この堅さは!」
と、大袈裟に驚いて見せて、いきなり力を加えて握り締めて来ました。

最高に怒張した陰茎は相手のオメコを催促するように青筋を立てて、
ズキンズキンと脈を打ち始めました。
時節到来とばかり、私は空いた左手を彼女の腰に這わせ、
浴衣の合わせ目を掻き分けて、そっと中へしのばせようとすると、
彼女はそれを軽く止めて、
「床を延べてからにして、なア・・・」
と明らかに興奮で上気した顔に意味ありげな笑みを浮かべて立ち上がりました。
「そやけど、ここではそんなに長い時間はあかんよ。帳場がうるさいさかいに・・・」

彼女がてきぱきした動作で寝床を延べている間に、私はテーブルの上に拡げた
商品を取りまとめて、大型のケースにしまい込んでロックをしました。
inserted by FC2 system